ボーダー寺
Chùa Bổ Đa

~ ベトナム仏教・竹林派の拠点 ~

 
山の斜面に並ぶ墓塔
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省

ボーダー寺は、Bổ Đà Sơn Quán Âm Tựchùa Quan Âm núi Bổ Đà普陀山観音寺)やT Ân T(四恩寺)などの名もありますが、地元の人々の間では短くボー寺と呼ばれます。カウ(Cầu)川の北側の、ボーダー山上に位置し、バクザン省ではヴィンギエム寺に次いで有名な仏教寺院です。
 11世紀の李朝時代に起源を発し、後レー()後期第12代皇帝ズトン(裕宗Dụ Tông : 在位17051728)の時代に建て直され、その後幾度も建て増し、修復され現在に至っています。チャン()朝第三代皇帝ニャントン(仁宗 Nhân Tông12791293)によって開かれた竹林禅派(thin phái Trúc Lâm)の拠点の一つであり、僧侶の養成学校でもありました。ここには仏像の他に老子や孔子が合祀され、儒教・仏教・道教の三教が同じ源にあるとするベトナムの伝統的な考え「三教同源思想」を表しています。
 またボーダー寺には、漢字やチューノム、梵字で仏教思想を刻んだ約2000の木版が保管されています。仏教経典を後世に残すため、また僧侶養成のために作られました。仏典の他、観音菩薩を精緻に刻み描いたものなどもあり、ヴィンギエム寺に数では劣るものの、大変価値ある木版と言われます。古いものでは後レー朝後期の1740年(景盛元年)に彫られたものがあります。これらの木版は、昔この地域に多く生育していたティ(Thị )の木に彫られています。軽くて丈夫で腐りにくく、彫刻に適していました。
 伽藍を囲む塀の外側には、僧侶の墓塔が山の斜面に立ち、その様子は大変美しく壮観です。墓の頂部が甘露の瓶になっているものは僧(男性)、蓮の花の形のものは尼僧の墓です。墓塔は100近くあり、往時の隆盛が偲ばれます。
 抗仏戦、ベトナム戦争の時は、革命の拠点の一つとなりました。


所在地: バクザン省ヴィエットイエン県ティエンソン社
        xã Tiên Sơn, huyn Vit Yên, tỉnh Bắc Giang


     

撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省
 


   
  台所や、道具をしまっておく建物
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省


   
    伽藍
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省


  本堂正面(右写真)と背後(左写真)
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省
 


    
木板が保管されている建物(左写真)と、書棚(右写真)
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省
 


    
てっぺんが、蓮の花の形が尼僧、甘露の瓶が僧(男性)のお墓
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省
 


 
斜面の上からの眺め
撮影: 2014年11月9日
場所:ボーダー寺、バクザン省
 
 










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