カイーチョー
(フタバガキ科の樹木)
Cây Chò

 
羽根突きの羽根のような実をつけた木
撮影:2013年5月25日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 

フタバガキ科は、東南アジアの熱帯雨林に多い樹木です。フタバガキ科の一種であるカイーチョーが、ハノイ市内ホーチミン廟の前のフンヴオン通りに植えられています。ホーチミン廟周辺には、ベトナム国内各地から様々な樹木や花が植樹されていますが、カイーチョーは北部のフート省から植樹したものだそうで、その真直ぐに高く伸びる姿は、ホーチミン廟周辺の厳格な雰囲気にマッチしているように見えます。カイーチョーは、高さ3050mになる常緑高木です。下から見上げると、真直ぐな幹が空に向かって伸び、木の上の方にのみ枝が広がっています。枝を落としながら成長していくのだそうです。

フタバガキという名は、実が柿のような形で、2枚(または3枚か5枚)の羽のようなものがついていることがその由来です。カイーチョーの中にもいくつか種類がありますが、フンヴオン通りのものは、羽根が2枚のタイプです。フタバガキ科の樹木は、数年か、種類によっては10年ほどに一度しか開花・結実しないそうですが、幸運にも201314年と連続して、フンヴオン通りの木々は開花しました。赤い羽根をつけた実が沢山なると、木はまるで部分的に紅葉しているかのように見えます。

フタバガキ科の材木はラワン材として使われ、乱伐により絶滅の危機にある種類も少なくないそうですが、ベトナム北部ニンビン省のクックフーンの森には現在もカイーチョーが多く残っていると言われ、クックフーン国立公園(Vườn Quốc gia Cúc Phương)内には、樹齢千年と言われるカイーチョーの木があります。

   
 若葉はピンク色
撮影:2014年5月20日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 


2~3㎝ほどの、5枚の花弁の花が咲く。
これは花弁の中央に赤い筋の入ったタイプ。
撮影:2014年5月20日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 


     
白いタイプ。
花が散った後、5枚の萼のうち2枚が伸びて赤く色付く。
撮影:2014年5月20日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 


   
 綺麗な赤い色の羽根を付けた実
撮影:2013年5月25日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
茶色くなり、地面に落ちた実。
撮影:2013年7月5日
場所:フンヴオン通り、ハノイ


   
 葉
撮影:2014年5月20日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
真直ぐに伸びた幹の周囲に細い枝を広げる。
撮影:2013年5月25日
場所:フンヴオン通り、ハノイ 


   
  レーホンフォン通りとの交差点から撮影。
フンヴオン通りの左右にカイーチョー並木が続く。
撮影:2013年5月25日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 


   
  右側の木は20mほどの高さ
撮影:2013年5月25日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 


   
 左側は、ホーチミンの家の入り口。
撮影:2013年5月28日
場所:フンヴオン通り、ハノイ
 


   
 樹齢千年のCây Chò。 根元付近で株別れしている。
樹高は45mとも60mとも言われる。
実際、木のてっぺんは高すぎて、
また周囲の木の葉も茂っているためよく見えなかった。
撮影:2014年5月10日
場所:クックフーン国立公園、ニンビン省
 





ハノイの樹木へ




ハノイ歴史研究会トップページへ
 このページのトップへ



Copyright (c) 2011 Hanoi Rekishi Kenkyukai All Rights Reserved



inserted by FC2 system