ハンボン通り
 Phố Hàng Bông

 
 各種の旗を売る店が多いハンボン通り
撮影:2008年1月8日
場所:ハンボン通り、ハノイ
 

ハンは商品、ボンはコットンの意味で、昔、綿で作った品物が売られていたことに由来します。ハンガイ通りが終わるところからクアナム交差点までの長い通りで、仏領時代以前は4つの別々の名前の通りでした。ハンハイ(Hàng Hài、ハイは位の高い人が履く先の尖った靴)通り、ハンボンデム(Hàng Bông Đệm、デムは布団)通りなどで、1945年以降ハンボン通りと呼ばれるようになりました。ハンボン通りは亭や神社などが多い通りだったそうですが、今もそのいくつかがあります。

 ハンボン通り2番地のレストランの一角にはフックハウ(福厚)霊祠があります。ハンボン通りを西に歩くと、120番地にはボンティエン(デン)があります。通りに面した門のところは、現在は電気製品店と旗を売る店がはいっていますが、商店の軒の上に目を移すと望仙観と書かれています。左側の路地をはいると、このの入り口があります。言い伝えによると、このはもともと今のトンズイタン通り辺りにあり、19世紀初めにハンボン通りに移されました。15世紀、当時の皇帝レー・タイントン(黎聖宗)が出会った美しい天女・陪輦仙娘(ばいれんせんじょう)が、帝のために詩を詠みました。これに感服した帝は天女を宮殿に招こうとしましたが、城門のところで消えてしまいました。そこで帝はその場所に望仙楼を建てました。そして19世紀ザーロン帝の時代に城が建て直されたとき、現在の場所に移されたそうです。現在は、ベトナム聖母道の聖母や、四位聖娘と呼ばれる海神が祀られています。

ハンボン通りは旧市街で最も賑やかな通りの一つで、現在はファッション関係の店のほか、旗を売る店が軒を連ねています。しかし上で紹介したのほか、フランス風の装飾が施された建物もわずかに残されています。


     
 フックハウ霊祠
ハンボン通り2番地
撮影:2007年7月8日
ボンティエン
通りに面した部分は商店だが、
デンの門柱と旗が見える。
ハンボン通り120番地
撮影:2014年9月3日 


     
 ハンボン通り74番地の家
昔ながらのグリーン色の木の扉があった。
撮影:2007年7月18日
ハンボン通り74番地は、2014年現在、
一階部分はスポーツ用品店となっている。
撮影:2014年9月3日 


     
 フランス風の建物も時折見られる
ハンボン通り
撮影:2014年9月3日
 ベトナムの国旗”金星紅旗”のほか、
Tシャツなども売る。
撮影:2014年9月3日
   
   
   
   

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