金蓮寺 Chùa
Kim Liên
金蓮寺はハノイ市で最も美しい仏教寺院といわれ、ホータイ(西湖)の東側、インターコンチネンタルホテルのすぐ手前、ギータム(Nghi Tàm 義蚕)通り近くにあります。ここはかつて李朝時代(1010年~1225年)の離宮「慈華宮」があった場所と伝えられています。李朝5代皇帝神宗(1128~1138)の皇女慈華公主(Từ Hoa Công Chúa)がここに居を構えたことから、慈華宮の名がつけられました。慈華公主はこの地に桑を植えて蚕を飼い、養蚕を始めました。これがギータム(義蚕)村の名の由来です。
金蓮寺の最初の名は「大悲寺」といい、後黎朝前期(1428~1526)の1443年に建立されました。高温多湿のハノイでは木造寺院の寿命は短く、この寺も何度も朝廷、民間によって修復されました。1771年の改築で「金蓮寺」に改名され、1792年に現在の形になりました。 これら金蓮寺の歴史は、門のすぐ内側にある「大悲寺碑記」に記されています。これはハノイ市現存最古の石碑で、そこに描かれた龍に角がなく、指が3-4本と少ないことがその古さを示しています。後代に描かれる龍には角と5本の指があります。
金蓮寺は三関門の美しさで有名です。“三関”はもともと“三観”と書き、空観と仮観、中観という三つの仏教思想を表していました。三関門に記されている文字「清虚」は、老荘思想の根底にある物事に囚われない清々しい気持ちを意味し、仏教と老荘思想の混在が見られます。
上寺には三世仏(弥勒仏・釈迦仏・阿弥陀仏)や慈華公主が祀られ、中寺に千手千眼観世音像、釈迦誕生像、その左右に梵天、帝釈天が配されています。千手千眼観世音像は、クアンスー(館使)寺(ベトナム仏教教会本部)から移されたもので、その美しさはベトナム仏教美術の最高傑作であるブッタップ寺の千手千眼観世音像に匹敵すると言われています。 下寺には向かって右に施餓鬼の世話係を努める聖僧(三蔵法師)と警備係の孫悟空、左には寺を守る徳翁が祀られています。 金色の孫悟空は、人々をちゃんと並ばせるよう手を振り上げた姿をしていますが、どの方向から眺めても見る人に語りかけているようだと言われています。
参考資料: 第16回ハノイ歴史研究会史跡めぐり参考資料 |
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