ラーン寺

Chùa Láng

~ 高僧徐道行・神宗皇帝を祀る ~

 
門柱の間に屋根が掛けられているのが特徴的
門の両脇には象
(旧正月直前に撮影のため、赤い垂れ幕などの装飾あり)
撮影:2014年1月28日
 


ラーン寺があるあたりは昔、イェンラーン(安朗
Yên Lãng)という村で、通称ラーン村と言われていました。それでこの寺はラーン寺と呼ばれていますが、正式名は昭禅寺(Chiều Thiền Tự)です。ハノイで一番大きく美しい寺と言われています。創建は12世紀前半にさかのぼると伝えられ、多くの仏像と徐道行(?~1116?)などが祀られています。
 徐道行はラーン村で生まれ、父親の敵討ちをするために修行を重ね、タイー寺で神秘的な力を授かりました。後に李朝(10101225)第五代皇帝神宗として生まれ変わったと言われています。

徐道行の伝説へ

 
 門柱の両脇の象
撮影:2011年12月2日

  通りに面した門柱は、柱の間に屋根がかけられた珍しい造りになっていて、門柱の両脇には神社でよく見かける象がいます。ここはお寺ですが、神宗皇帝も祀り、神社的な色彩があるためだと思われます。門を入ると三関門があり、それをくぐると緑豊かな参道が続き、その先には八角形の「宝蓋堂」があります。徐道行の命日である旧暦37日に、本堂に祀られているご神体を神輿に乗せて、母親が祀られているホアラン寺に向かう時、神輿を一時ここに安置する建物です。




 
三関門 
撮影:2011年12月2日


      
三関門の内側に描かれている、鳳凰を乗せた紅白の馬
撮影:2011年12月2日
 


 
三関門の内側の参道
撮影:2011年12月2日


 
宝蓋堂
撮影:2011年12月2日


旧暦1日、15日も含め、本堂へは右奥から回って入ります。

 
お寺の形はベトナムの大規模寺院で見られる「内工外口」型です。手前から、「前堂」(拝堂)、「中堂」(拝堂)、「焼香」(読経と焼香の場所)、「後宮」(本尊を祀る)が連結して「工」の字を作り、これを外側の回廊が「口」形で囲んでいます。


<前堂>

 
 前堂の様子
撮影:2011年12月25日


<中堂>

中堂には護法、聖賢(阿南陀尊者)、徳翁(土地神)、苦行仏、准胝観音などが祀られ、多数の仏像を配した冥府を表す大きな岩山があります。回廊には羅漢が安置されています。


         
 護法(中堂の向かって左  護法(中堂の向かって右)
撮影:2011年12月25日 



       
 徳翁(中堂) 聖賢(阿南陀)(中堂) 
撮影:2011年12月25日 

        
 冥府(中堂の向かって左) 中堂の様子 
撮影:2011年12月25日 

 

<焼香>

 
 焼香の様子。奥の後宮に神宗皇帝が祀られている。
撮影:2011年12月25日


<回廊>

 
 羅漢(回廊)
撮影:2011年12月25日

<祖師堂>

           
 祖師堂
撮影:2011年12月25日
祖師堂と本堂との間の回廊
撮影:2012年5月23日 


   
 歴代住職の墓塔(ラン寺敷地内右奥)
撮影:2011年12月25日
 


生誕地ラーン寺と、修行と遷化の地であるタイー寺は徐道行禅師の二大聖地で、命日の旧暦37日をはじめ、旧暦1日と15日には多くの参拝者が訪れます。

<拝観日> 毎日




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