リー・クオックスー(李国師)寺 Chùa Lý Quốc Sư ~ 李朝時代の高僧・明空を祀る ~
李朝時代の高僧・明空(1065~1141)の称号を冠したこの寺は、ハノイのホアンキエム区リー・クオックスー通り50番地にあります。ハノイ大教会を背に左手方向に歩くこと70歩足らずで、寺の正面に着きます。山吹色をした塀と大小3つの扉があり、通常、小さい門より入ることができます。その門には“慈悲”とあり、中に入ると“極楽”の漢字が書かれています。大きな中央の門には“阿弥陀仏”とあります。外の通りの密集した家々とは違った雰囲気を醸し出しています。庭は40畳ほどの広さで大きな木が茂り、落ち着いた静かな空間が広がっています。
庭に一歩入ると、右手の3mほどの石の塔の上に、観音像とつき従う善財童子と竜女の像があります。参拝者の多くはこの観音像に手を合わせて本堂にすすんでいきます。この石の塔の周りには蓮や菊、柿の花の彫刻があり、18世紀の芸術様式を伝えています。 <寺の建立時期> 史書によると、この寺は1131年に李朝の皇帝の命により、僧の修行場として建てられました。のちにリー・クオックスー寺と呼ばれました。寺は何度も修復を繰り返し、抗仏戦のさなか1946年にフランスによって壊され、1954年に現在の規模に建て直されました。
<本堂> 本堂は、靴を脱いで入ります。本堂の中は少々薄暗いですが、目が慣れてくると高い天井とたくさんの仏像が目に飛び込んできます。正面の天井近くには金色に輝く三世仏の阿弥陀如来(過去仏)、釈迦如来(現在仏)、弥勒菩薩(未来仏)が祀られています。
このお寺の名前にもなっているリー・クオックスー像が、多くの仏像の一番奥の座に祀られています。ハスの花を持ち、薄い黄色の衣を纏っています。リー・クオックスーと同じく農民のために尽くした覚海(ザクハイ)、徐道行(トゥー・ダオハイン)禅師の像も祀られています。その前方中央には阿弥陀如来像があり、左手には観世音菩薩、右手には勢至菩薩が祀られ、阿弥陀如来の前には10本の腕を持つ小さい准胝観音が安置されています。 その前には狭い通路をはさんで、新たな仏座に釈迦誕生仏が鎮座し、土色をした七仏薬師と呼ばれる小さな七体の仏像も祀られています。手前壁際には、リー・クオックスーの父母像が左右に祀られています。正面の祭壇の左右の奥の壁には、仏塔の絵が浮き彫りにされています。祭壇に向かって左はハノイのバオティエン塔(報天塔)で、右はインドのブッタガヤの釈迦大塔です。
リー・クオックスーの伝説 バオティエン塔 <拝観日> 旧暦1日、15日 <住所> 50 Lý Quốc Sư 参考資料: 『歩こうハノイ⑦ 大教会周辺を歩こう』 ハノイ歴史研究会 2008 |
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