フサナリイチジク Cây Sung(スンの木)
スンの木は、ベトナム北部平野の農村の生活と密接なつながりをもつ木だと言われます。昔ながらの農村では、池のそばに必ずといっていいほど植えられていたそうです。木の茂みは池の魚を日差しから守り、その未熟な果実は、池から釣ったばかりの生の魚と共に食べたそうです。実の渋みが魚の生臭みを消す効果があるからです。また、未熟な実は塩漬けにして食べ、熟したものは子供達が食べたのだそうです。葉も、肉などを包んで食べる場合があります。ニンビン地方特産のヤギ肉は、スンの葉と共に食されます。ハノイ市内の民族学博物館には、キン族についての屋外展示として池が設けられていますが、その池の淵に植えられていて、農村の風景が再現されています。また、農村から生まれたベトナムの伝統芸能である水上人形劇の人形作りには、スンの木が利用されます。 ベトナム語の“Sung”は、“Sung Sướng(=幸せ)”の言葉につながり、“Ăn sung mặc sướng(=スンを食べれば、幸せが訪れる。)”ということわざがあるように、ベトナムでは縁起の良い果物と言われます。 イチジクは、花が咲かないのに実をつけるように見えることから「無花果」と書きますが、果実のように見える花嚢(かのう)の中に花があります。幹や枝に直接実をつけ、鈴なりになると幹が見えなくなるほどで、秋になると赤く熟します。
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