ベトナムの旧正月テト

正月料理

バインチュン  Bánh Chưng

 
 バインチュン
竹ひごを細く裂いて重ね、皿の上で逆さにし、竹ひごを持ち上げて切り分ける。
撮影:2012年1月25日

 もち米の中に緑豆と豚肉を入れて四角く形づくり、ゾン(ウコン科)の葉で巻き、10時間ほどゆでた物。四角は大地を、もち米と緑豆はすべての穀物を、豚肉はすべての動物を、ゾンの葉はすべての植物を象徴すると言われます。(昔、ベトナムでは世界の概念は四角だった。元々は中華思想。)Bánhは、米や小麦などの粉で作った餅や煎餅、ケーキ、お菓子などの総称で、Chưngは「蒸す」の意味です。
 

バインチュンの伝説 

 バインチュンには、次のような伝説が伝えられています。
古代、フン(雄)王六世には20人の息子がいました。世界中から珍しくて美味しい食べ物を探してくるように命じ、一番美味しい食べ物を持ち帰った者に王位を譲ろうと告げました。息子達は先を争って遠い地へ食べ物を探しに行きましたが、18番目の王子ラン・リュウは他の息子達と違って家来もなく、どこへどうやって探しに行ったらいいかもわかりませんでした。そして宮殿に留まっていたある日、夢の中に神様が現れ、神が教えた通りに大地を表す四角いバインチュンと、天を表す丸いバインザイーを作り王に捧げました。王は大変満足し、毎年12月に一年の感謝をこめてバインチュンを作るよう命じ、王位を継がせました。      

参考資料:『物語ヴェトナムの歴史』小倉貞男 1997



以下は、2013127日、越南写真クラブでハノイ市タインチー(Thanh Trì県タインクック(Thanh Khúc)村を訪れ、バインチュン作りの様子を撮影させてもらったものです。



 
 ゾンの葉  


  
 豚肉に胡椒をまぶす。 緑豆をつぶしたもので豚肉をくるむ。 


   
だんご状の緑豆と豚肉がもち米で包まれるように、
葉の上に置く。
何重もの葉で包む。 


   
 竹ひごで結ぶ。 巨大な鍋でゆでる。 


   
 巨大な寸胴鍋 ゆであがったバインチュンを袋に入れ、密封する。 



砂糖漬け菓子

Mứt

テトの時によく食べられるのが果物などの砂糖漬けです。各種取り揃え、お客様のもてなしやお茶請けに出されます。生姜やココナッツ、蓮の実の他、トマトやじゃがいもなどの野菜の砂糖漬けもあります。ハノイでは旧市街のハンドゥオン通りやハンブオム通りをはじめ、いたる所で売られます。

   
 Mứt Gừng(生姜の砂糖漬け) Ô Mai Mơ Gừng(生姜入り梅漬け) 
撮影:2012年1月12日 




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