チャウカウ の伝説


4代目Hung王の時代、二人の仲のよい兄弟がおり、TanLangといいました。二人は見た目が見分けがつかないほど似ており、また才能に恵まれ美しい子供でした。二人がまだ幼い時に両親を失い、そのため、兄弟は互いに協力し、お互いの愛はより深まりました。父親の遺言に従い、二人はLuuという道士の家に入門し、祖先の開いた道にしたがい、精神、道理を学ぶようになります。

 
Luu家には、美しい年頃の娘がおり、娘は、伝統にしたがい、兄弟の兄と結婚したいと思うようになります。しかし、兄弟があまりに似ているため、どちらが兄なのか、わかりませんでした。そこで、娘は、食事時に、ご飯を茶碗によそい、二人の前に突き出します。すると、Tanがこれを受け取り、兄だということが分かりました。Tanと娘は結婚し、弟のLangとともに3人で暮らし始めます。

 Tan
とその妻との愛情が深くなればなるほと、Langは疎外感を感じるようになります。あるとき、二人が夜も遅くなり畑から戻ると、辺りは暗く、夫の帰りを待ちわびていた妻は、夫が帰るなり、夫と間違え弟に飛びつきます。これを見た夫は大変弟に嫉妬しました。

 
 この事件以来、兄は弟を避けるようになり、兄の仕打ちに耐えられなくなった弟は家を出て、森へと向かいます。森の奥深くまで歩き、川の前で疲れ果てて、倒れ、死んでしまいます。これを見ていた精霊は、嘆かわしい弟の死体を石灰の岩へと変えます。 いくら待っても帰ってこない弟に、兄は自責の念に駆られます。いてもたってもいられず、また、目上の者は目下を面倒見なければならないという祖先の教えに従わなかったことを後悔します。兄は、弟を探しに森へと入っていき、やがて疲れ果て、川の前の大きな石灰岩に横たわると、そこで息絶えてしまいます。これを見ていた精霊は、彼の姿を檳榔樹(ビンロウジュ)に変えます。 留守を預かっていた妻も、夫がなかなか帰らないのを心配し、森へと探しに行き、同じく、川の前で力尽き、檳榔樹に寄りかかって死んでしまいます。精霊は妻をキンマにと変えます。 

 その後しばらくして、兄弟と妻の話が広まり、
この場所に、夫婦の貞操と兄弟愛をたたえた寺が建てられました。それから、大干ばつがベトナムを襲い、辺りは、奇跡の檳榔樹とキンマを除き、すべてをカラしてしまいます。Hung王はこの不思議な現象を確かめるために、当地を訪れます。Hung王が檳榔の実とキンマの葉を口に含んで噛んでみると何とも言えない清涼感が広がり、唾を吐くと、石灰岩の色が真っ赤に変色したのを見て、たいそう驚きました。 このことから、檳榔は長くともに添い遂げる結婚のシンボルとなりました。

(この伝説の詳細には、諸説あります。)


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