ヴィンギエム寺

Chùa Vĩnh Nghiêm

~ 世界記憶遺産・仏典を刻んだ木版 ~

ヴィンギエム寺は、ハノイから北東へ約60㎞、バクザン省のルックナム(Lục Nam)川とトゥオン(Thương)川が合流する地点に位置しています。村の名から、ドゥックラー(Đức La)寺とも呼ばれます。世界記憶遺産に登録された木版経典で知られる名刹です。
 李朝時代に創建、陳朝時代の13世紀に規模が拡張されました。李朝に続き陳朝も仏教を保護した時代でしたが、特に陳朝第三代皇帝チャン・ニャントン(陳仁宗;在位1293-1308)は熱心な仏教徒で、帝位を退いた後、安子山(現クアンニン省)で修行し竹林禅派(Thiền phái trúc lâm)を創設しました。住職を務めたヴィンギエム寺は竹林派の拠点となりました。寺ではベトナムで最初の仏教学校も開かれ、陳朝期は仏教の中心的役割を果たしました。
 寺に残る1606年の石碑には、“寺は都の北の、自然の景観が大変美しい所に建てられている。“と記されています。
 木板は主に1617世紀頃に彫られ、その数は3000枚以上にのぼり、竹林派の経典や思想、歴史などを記した貴重な史料となっています。現在木板は寺の書庫に保管され、一般の参拝者は見ることができませんが、祖師堂に向かって右側の回廊に、いくつかの複製品が展示されています。
 寺にはチャン・ニャントンの他、共に竹林派の祖と言われる法螺(Pháp Loa)禅師玄光(Huyền Quang)禅師が祀られています。



 本堂の棟の上に掲げられた寺名。
撮影:2014年11月9日
本堂正面
撮影:2014年11月9日 
     
 厳かな本堂内
撮影:2014年11月9日
 


    
左)祖師堂伽藍  右)竹林派の祖チャン・ニャントンを祀る
撮影:2014年11月9日
   
 左)対連に竹林の文字 右)安子山の文字 (祖師堂)
撮影:2014年11月9日
   
「工」の字形の祖師堂
撮影:2014年11月9日
 


     
木板が保管されている建物(祖師堂に向かって左)
撮影:2014年11月9日
 


   
 祖師堂に向かって右の回廊に、木板の複製品が展示されている。
撮影:2014年11月9日
 


   
 寺の周囲はのどかな田園が広がる。
撮影:2014年11月9日
 






所在地:バクザン省イエンズン県チーイエン社ドゥックラー村
      làng Đức La, xã Trí Yên, huyện Yên Dũng, tỉnh Bắc Giang

 


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