アレクサンドル・イェルサン Alexandre Yersin (1863-1943) 1863年スイスに生まれ、フランスに帰化した医師で、インドシナにおいて医学、科学だけでなく農業の分野でも様々な業績を残しました。 パリのパスツール研究所に勤務していた1890年、イェルサンは船医としてサイゴンに立ち寄りました。その後植民地医療に従事するため再びインドシナを訪れます。1893年彼はベトナム中部を訪れ、ダラットの近くに療養所をつくることを提案しました。これは後のダラット開発のきっかけとなります。 1894年、当時中国で流行していたペストを調査するために香港を訪れ、北里柴三郎とほぼ同時期にペスト菌を発見しました。1895年にはニャチャンにパスツール研究所を開き所長となり、その後インドシナ医薬学校(現ハノイ薬科大学)の校長に就きます。彼はインドシナで多くの伝染病の蔓延を防ぐために尽力しました。特に大きな業績は、マラリアの特効薬であるキニーネの原料となるキナという植物を栽培する農園をベトナムで初めて作り、マラリアの拡大を抑えたことです。更に彼は農業の分野でもブラジルからゴムの木を紹介し、ゴム産業の発展にも貢献しました。 慎ましい生活を送りながら献身的な仕事を続けたイェルサンは、フランス植民地時代で最もベトナム人に愛されたフランス人の一人です。1943年ニャチャンで80歳の生涯を閉じ、お墓は遺言に従ってニャチャン郊外につくられました。 ニャチャンの名の由来はチャム語であるとされていますが、イェルサンが住んだ海辺の家が白い漆喰の壁であったことから「白い家」という意味の「Nha Trang」と呼ばれるようになったとも言われています。
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